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執筆者の写真良夫 山根

事業復活支援金~パソコンの使えない年寄りは支援金をもらえないのですか?   2022.3.9

更新日:2022年3月10日

 3月4日午後、私が市役所に着いたとたんに、「山根先生、事業復活支援金をもらいたいのですが、お手伝いしてもらえますか?」と、Dさんから電話が架かってきました。「すみません、私は今市役所にいますから、事務所に帰ってから詳しいお話をお聞きしますが、よろしいでしょうか?」と答えました。


 市役所では、4月以降の健康保険について、今協会健康保険の任意継続から国民健康保険になるのがいいか、試算をしてもらいました。(大幅に減額になるので、国民健康保険に決定。)事務所に帰ると、防府市の行政書士から、「外国人出入国申請取次の仕事をしてもらえますか?」という依頼の電話が入りました。そして、美祢市商工会から事業復活支援金の電話が、休みなく入ってきました。Dさんに電話ができたのは、17時過ぎになりました。


 Dさんは、70歳代の女性。夫も70歳代で、夫の室内清掃業の仕事がコロナの影響で売り上げが減っています。事業復活支援金のことを聞き、自分たちももらえるのではないかと思い、支援金事務局に電話したといいます。復活支援金申請には、確定申告書の書類などを準備すること、登録支援機関で事前審査を受けなくてはいけないこと、すべてパソコンで申請しなければいけないことを聞かされました。山口市の登録支援機関の中でやってもらえそうなところを複数教えてもらったそうです。その中に、「山根良夫行政書士事務所」があり、藁をもすがる思いで電話を架けてこられたようです。「パソコンの使えない年寄りは、支援金を貰うなということですか?」少し、怒りを込めて私に聞くDさんの声が印象的でした。


 私は、「安心してください、私がパソコンをもってDさんのお家に行って、お手伝いしますから。」と言いながら、制度の説明や準備してもらうものを、約1時間かけて伝えました。「私に、電話されてきて正解でしたよ。」その時には、Dさんの返答が、軽やかに変わっていました。


 昨日3月8日、20㎞程度離れているDさんのお家に約束の10時に着きました。ご夫妻で迎えてくださいました。早速、パソコン接続です。Wi-Fiは来ているといいますが、パスワードが分からず、断念!私のモバイルパソコンにテザリングで作業に入ります。Dさんは、何度も支援金事務局に電話をして、申請IDや必要書類を準備していました。「準備はばっちりです」の言葉どおり、頑張りは大いに称賛されるものでした。しかし、青色申告の確定申告は、よほどの不正が見つからないと指摘を受けることはないようです。残念ながら、売上台帳のバックデータとなる請求書、領収書、通帳が揃っていません。今回の支援金は、対象月、基準月ないし基準期間の5か月計6か月は、特にそのバックデータが必要です。確定申告書やそれに伴う書類の保管期間は7年間です。


 私は、必要書類の提出を求めると、Dさんは少しパニック状態に、「あったはずなのに、見当たらない。」と。「いいですよ、落ち着いて探しましょう。」売り上げが、50%以上落ちているので、50万円はもらえるかと思っていたら、基準期間5か月の総売り上げが低く、その60%以下。(私の報酬も大幅ダウン)Dさん夫妻は、「でも、全く出ないのじゃないから、いいよね。出たら、助かるよね。}と言って喜んでいました。結局すべて完了したのが、5時間後の15時過ぎ。当然そんなにかかるとは、双方思いませんから、口にしたのはDさんの用意していたコーヒーとケーキ、バナナでした。(お疲れさまでした。)


 本日の報酬は、事前確認の1万円と消費税です。残りの報酬は、復活支援金が支給後本日の報酬を差し引いて振込んでもらうことにしました。Dさん夫妻は、私の報酬が減ったことと、長い時間働いたことに、恐縮されていました。「山根先生、ありがとうございました。経理をきちんとしなければいけないことを、今回は身にしみてわかりました。これからは、きちんとやります。本当に助かりました。また何かありましたら、よろしくお願いします。」その一言が、私の疲れを吹き飛ばします。事務所に帰って、もうひと仕事をしましょう。


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