(山口市仁保で見かけたひまわり畑 2022年7月10日撮影)
農地法については、太陽光発電に伴う転用申請(ブログ2024/12/15)と「荒れた農地を有効活用して!2024.9.3」で触れていますが、今回は、農地法3条許可申請の依頼が来ました。農業委員会で扱う農地法は、3条が、農地を農地としての権利移動がある場合です。これに対して、4条は、自分の農地を農地以外の宅地等に転用するものです。また、5条は、農地以外に転用することに所有権移転が伴うものです。(上記の2例は、農地法5条転用の事例になります。)
さて、今回の依頼主は、私の職場の後輩のCさんです。Cさんとは、職場時代から久しくしていたため、農地の相談が電話でありました。「山根さんは、行政書士をしていますね。今、従兄の農地を耕作していますが、従兄も遠く離れているため、土地を譲渡したいと言っています。どうしたらいいですか?」というものでした。従兄は、長年Cさんが耕作しているし、住居地と離れているため、管理もできないためCさんに無償譲渡(贈与)してもいいと考えていると言います。そのために、知り合いの司法書士にも話をしているといいます。従兄は、Cさんへのこれまでの感謝の気持ちもあり、贈与だけでなく、司法書士や行政書士も住居地の知り合いに頼む予定だと言います。私は、長年の友人であるCさんに、農地法の説明をして、今後の流れを話しました。(直接仕事には結びつかない相談は多いし、大切にしています。)
何週間か経った後にCさんから連絡がありました。「従兄が住居地の司法書士に相談したら、山口市まで来て仕事をするのは大変だから、山口市の行政書士に頼んだ方がいいと言われました。山根さんお願いします。」「了解しました。早速取り掛かりましょう。」
3条の許可申請書で一番大変なことは、「営農計画書」です。「農地の取得の目的と営農方針」「作目及び利用計画」「農機具の保有状況、購入予定及び保管場所」等々、Cさん本人でないと書けないことばかりです。項目ごとに鉛筆で書いて来てもらい、聞き取り調査をして、私がパソコンで「営農計画書」を作成することにしました。後は、登記事項証明書、位置図、付近見取図、公図の写し、委任状をそろえて、農業委員会に提出します。
農業委員会は許可証が下りて、次は登記をしなくてはいけません。従兄からCさんに所有
権移転をすることが必要です。「自分でもできますよ。」と助言はしたのですが、司法書士を紹介してほしいと依頼されました。地元の司法書士さんのところに、話に行きました。Cさんにとって、金額面も含めて信頼に足る方かどうかを確認するためでもあり、今後私が仕事を依頼できるかどうかの感触を得るためです。大丈夫ということで、Cさんに紹介しました。その時に、司法書士さんは「贈与契約書はどうされますか?」と聞きます。「いくら親戚でも、贈与の後でトラブルになることがあるので、お薦めしています。」「なるほど。ところで、その贈与契約書は、おいくらですか?」示された金額が、私の事務所の報酬額よりかなり高かったので、「贈与契約書なら、私の業務でもありますね。」というと、「それなら、ぜひやってあげてください。」という話になりましたので、Cさんに説明して、私が引き受けることになりました。
個人で行う農地法許可申請は、お金もかかることですから、紆余曲折はありますが、やった後は感謝され、達成感はあります。(企業が行うものは、事業として行うもので、経費で落とせるものですから、個人のものとは少し感覚が異なります。)これからも、スモールビジネスかもしれませんが、周りの人たちを大切にしていきながら仕事をしていきたいと思いました。
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